第11章 この最低男
「っあなたっ……うっ…私に何を食べさせたのよ!」
「……………。」
泣きながら、しずくは悟に叫んだ。
「…しずく、ローター持ってこようか…。」
もう流石に相手をするのもしんどい。
最低っ!本当に最低男!
泣き出したしずくを悟はシーツで包むと、そのまま高専まで運んだ。
「死ね、クズ。」
硝子の冷め切った目線を素直に受けながら、悟は腕の中のしずくを差し出す。
「うっゔゔっ……。」
しずくはもう恥ずかしくて、顔を上げられない。
硝子の反転術式を受けながら、包まれたシーツから顔を出そうとしないで、ずっと泣いている。
その様子を見て、流石に悟も申し訳無いと思った。
「もう五条は出て行っていいよ。」
硝子はしっしっと悟を払った。
「…いや…置いていけないでしょ…。」
そのシーツの下は裸だ。
「いやいい、七海に送らせるから。」