第10章 これは愛ではありません
しずくからキスをしてくる事に、悟は目を見開いで驚いた。
「はっ……ん……。」
必死に舌を絡めて、悟の口内を舐め回す。
「…どうしたの?可愛い事して…。」
ゾクゾクッと背中に刺激が走り、必然的に腰の動きも早くなる。
「早くイかせたい?余計頑張っちゃうよ僕。」
「あっいやっ…。」
はっ…、自分でキスしてきて勝手にイッてら…。
こんなキスだけで簡単にイっちゃうなんて、本当に簡単な女だ。
ビクッと大きく跳ねたしずくの体を抱き締める。
ああなのに…なんて事だ。
しずくにキスをされて、気持ち良くなっているしずくを抱いている自分が、1番興奮している。
この女に。
10年間見向きもしなかった自分の奥さんに。
今あり得ないほど情欲を持って抱いている。
動きづらい浴槽に舌打ちする。
もっと思い切り抱きたい。
「……しずく、もう無理…早くベット行こう…。」