第7章 あなたの婚約者です
「相変わらず狂ってるねぇ、あんたら夫婦。」
大好きな日本酒を片手に、硝子は顔を顰めてしずくに言った。
「狂ってるのは五条だけだよ!しずくはよく離婚を決意したねぇ!」
いつもの女子会。
まだ酔っ払っていないはずの歌姫が、しずくに抱き付きながら頭を撫でている。
しずくの悟からの扱いを知っていて、散々離婚した方が良いと言っていたのだ。
やっと重い腰を上げたしずくに、歌姫からの寵愛が続いた。
「五条は離婚渋ってるんでしょ?」
「渋ってても何よ、あいつは有責者で離婚される側よ!」
有責者が悟になるのはどうだろう…。
むしろ風俗に足を踏み入れたり、他の男とデートしたりしている自分の方が自信が無い…。
「……次は、別の手を考えてて…。」
しずくは先に悟の再婚相手を見つける話をした。
その話を聞いて、歌姫は頷いていて、硝子は顔を顰めた。