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12歳年下の彼に溺愛される話

第61章  2024年4月12日



『乾杯…』

とこっちにグラスを差し出して来たので、
巴は有翔から受け取った
冷水が入ったグラスを合わせた。

チン…と

お互いのグラスが音を立てて、
ゴクゴクと…喉を鳴らしながら
良く冷えた水を飲むと。

『お代わり居る?汲んで来る?』

巴が…グラスの水を
一気に飲んでしまったのを見て、
有翔が声を掛けて来て。

「すいません…、
お世話になってばかりで…」

『いいよ。…僕は…昔からあんまり
お酒って飲んでも…酔わないからね』

彼に空のグラスを…渡す時に
お互いの指先が触れてしまって。
思わず…グラスから慌てて
巴が手を引こうとしたのを
上から有翔の手で押さえられてしまって。

「あっ…、ごめんなさいっ…。
あ、…あの…ッ手…」

『そんなに…僕の事…意識しなくても
大丈夫…、流石に…ミナトの彼女さんに
僕も…手、出したりしなから…。
待ってて?水…もう1杯…
汲んで来るから…』

ウォーターサーバーに
お代わりを汲みに行ってくれた
彼の背中を巴は色々な意味で
申し訳ない気持ちで…眺めていた。

自分の手には…さっきの…
手を重ねた時の感触が…
妙に…残ってしまって居て…。

お酒の所為なのか…、ドキドキと
自分の…心臓が…さっきから
早鐘を打っているのを感じる。

ぬっと…目の前にグラスが出て来て
巴が視線を上げると、
こっちにグラスを差し出している
有翔と視線がぶつかった。

『はい…お代わりどうぞ』

「ありがとうございます…」

こっちのグラスの中身はお水だけど
酔いつぶれたふたりの代わりに、
彼がひとり酒にならない様に
巴がお付き合いしてると。

いつの間にか…
眠たくなって来てしまって。

ふあぁ…と…隣に有翔が居るのを
ついつい忘れてしまって
巴があくびをしてしまっていて
すっかり…こうしてる内に
眠気の方が勝って来て。
彼に対する…警戒心もゆるゆるに
緩んでしまって居た…。

『眠いのに、無理して…
お付き合い…してくれてありがと。
そのまま…寝ていいよ?』

誰だろう…?

凄い…心地の良い声…だな…って。

ぼんやりと…薄れて行く…意識の中で

彼の声を聞きながら考えていて

そのまま……巴は眠りに落ちて行った。


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