第61章 2024年4月12日
「んじゃあ…もう…ちょっとだけ…」
…と勧められたお酒を飲んだのが
間違いだった…んだろうな…。
ここが自分と彼のお家で、
酔いつぶれちゃっても大丈夫だし
彼も一緒に居るから…って…。
明日は…土曜日だし…お休みだからって
そんな油断も…あったのかも知れない。
港斗くんが左側に…、
右側に…有翔さんが座って。
両サイドから…お酒のお代わりを
勧められてしまって…、
ふたりとも…お酒が強いから
かなりの量飲んでる感じだったし、
ふたりとも…酔ってるみたいだから。
私が…そんなに…飲んでないのが
気になってるみたいで…。
「ふたりとも…そろそろ…
結構…お酒も入ってるみたいだし…。
お白湯とか…お茶とか…、
チェイサー…しながら飲んだ方が…」
いいんじゃ…無いかなって…と
尻すぼみになりながら巴が言うと。
『いいな…ぁ…、ミナトは…
こんな風に飲み過ぎちゃってる時に
身体の調子、心配してくれる
優しい…彼女が…居てさ…』
『それは…、アルトは…。
僕に巴さんみたいな彼女が居て、
…羨ましいって事ですか?
ダメですよ……巴さんは…
僕の…彼女…です…から…ッ…』
そのままテーブルの上に
うつ伏せになって
彼も眠ってしまったみたいで。
『多分ミナトは…ちょっと寝たら、
すぐ起きると思うけど…、
友坂さん、ミナトに
何か掛けられる物ある?』
「あ、あそこに毛布あるんで。
待ってて…下さい、取って来ます」
リビングの脚付きのマットレスの所に
毛布はもう1枚置いてあるから。
巴がそれを取りに行こうとしたら
それを有翔に制止されてしまって。
『あそこね…僕が取って来るから、
友坂さんは…ゆっくりしてて?
多分…今は…大丈夫だろうけど
立ち上がったら、足元取られるだろうから』
「大丈夫…です……っと…」
お客さんに…そんな事を
お任せする訳にはと…勢い良く
座って居た姿勢から
巴が立ちあがると。
ぐらっと…視界が揺らいで…。
足元がふらついたのを…
有翔が立ち上がって慌てて
支えてくれたお陰で…
私は…その場で、
倒れ込まずに済んだんだけど…。
『ほら…、僕の
言った通り…だった…でしょ?』
「す…すいません…、
あ、ありがとう…ございます…ッ」