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12歳年下の彼に溺愛される話

第57章 須磨浦山上遊園



ゴンドラみたいな
ベンチがついた
2人乗りのピンクとグリーンの
カゴの様な乗り物で。
ベルトコンベアーの上を
傾斜25度の勾配をガタガタ揺れながら
昇って行くレトロな乗り物だ。

これに乗らないと須磨浦山上遊園には
辿り着けないのだが…、私は
この先のリフトの記憶しか無くて
この乗り物の記憶は残って居ない。

全長91メートルで鉢伏山上駅と
回転展望閣の間を2分20秒で結んでいる。

乗り心地最悪と…言われてる理由は
乗ってすぐのベルトコンベアーへの
導入部分が凄い揺れるからで。

『あはははっ…噂通り
めっちゃ揺れますね…』

でも…揺れるのはその最初だけで
ベルトコンベアーに乗ってしまえば
そんなに乗り心地最悪と
言う程の揺れも無くて快適だ。

『この距離感は…付き合い始めの
カップルのデートにも良いですね』

とは言っても…カーレーターは
2分ちょっとの乗車時間?なので
あっという間に降りる感じで。

開店展望閣のある場所に着いた。
この須磨浦山上遊園の
シンボル的な建物なのだが。
円形のビア樽の形をした
ガラス張りの建物で。
1階はジュークボックスがある休憩所
2階はレトロなゲームコーナー
そして3階にはゆっくりと床が
回転して景色を楽しめる
喫茶店のコスモスがあり。
屋上は展望台になっている。

この回転する展望台と
バーベキューが出来る場所があって。
バーベキューをビール片手に
楽しんでいる人の姿も見られる。

『バーベキューできるんですね、
ここでバーベキューしても
良かったですね…お昼』

このカーレーターの先にあるのが
私が記憶しているリフトの乗り場だ。

リフトの乗り場が見えて来て
その先に…木で出来た
吊り橋みたいな上を移動する
リフトの姿が見えて
あの時の記憶が蘇って来る。

せっつ駅と…
リフトの乗り場に書かれていて。

「そう…これっ、これだ。
これに乗ったのは憶えてるの」

『あ、これ…明石海峡大橋が見えて
めっちゃ、眺めがいい奴ですよね?
今日はお天気ですし、一緒に
乗れないのだけがマイナスですけど。
気持ち良さそうですね』



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