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12歳年下の彼に溺愛される話

第52章 神戸コンチェルト



基本的に平日開催なのだそうだが。
月に1回は土曜日開催もあるので。
来月のフェアとかどうですかと
彼がこっちに言って来て。

そう言えば…あの時も…
このデッキで、
船上ウエディングとかって
やっぱり憧れる物ですか?って
付き合う前の彼と
そんな話をしたなって…。

ここから…この景色を
眺めていると…その時の記憶が
鮮明に蘇って来るのを感じる。

あの頃の…、恋人未満の
微妙な距離感じゃない…
今の…彼と私の…恋人同士の距離感。

この距離になるなんて、
あの時の私は…
全然…思っても…居なかったんだけど。

見つめ合って…自然と距離が近付く。

近付けた唇同士が増える前に
彼がスッと身体の距離を離して。

『この辺りに…偶に…海外からの
豪華客船が…寄港している時が
ありますよね…偶にニュースに
なってたりとか…しますよね』

「そう言えば…前に…飛鳥Ⅱが
ここに停泊してるの…を
買い物に来た時に見た事ある。
前にテレビで…世界一の豪華客船の
内部に侵入とかってしてたのを
特集で見た事あるけど…」

もう…実際に見た時は…
船の上にマンションが乗ってるって
そのスケールの大きさに
浮かんでるのが不思議な位だったけど。

『流石に…飛鳥Ⅱで世界一周とかは…
100日間とかになるんで
値段的にも…現実的じゃないですけど
短いコースもありますし…。
豪華客船の船旅とかも良いですよね?』

「そうだね…人生で1回ぐらいは
豪華客船の旅…してみたいかな…」

あの時に見た飛鳥Ⅱの姿を
巴が脳裏に思い浮かべながら。
そう返事を隣の港斗に返した。

『しちゃいますか?巴さん
豪華客船の旅。国内旅行と
海外旅行もできて、
船旅と3度美味しいですもんね』

おいそれと…豪華客船乗りたいねで
するような…感じじゃないけど…。

「ねぇ、港斗君…それって…」

『え?それもこれも何も、
僕と巴さんのラブラブ新婚旅行の
行先の候補の事ですけど?
国内旅行や海外旅行も良いですけど
そう言うのもアリなのかなぁって…』

「ら…らぶらぶ…って…」

妙にその部分に含みを持たせて
彼が言ったので、そのラブラブを
妙に…意識してしまって。


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