第43章 Wデート
甲子園からお隣の尼崎に入れば。
目的地のスパワールドへは20分も掛からない。
『スパワールドに去年の7月に
ホテルの新館が出来てるんですよ?』
スパワールド…職場のママさんが
子供連れて行って泊った事あるって
言ってたからホテルが併設されてるのは
聞いた事があるんだけども…。
港斗君が言うには新館には
ファミリーでもゆったり泊れる
ファミリールームや、
豪華な内装のインペリアルスイートも
あったりなんかしちゃうのだそうだ。
葵ちゃんがググってくれたみたいで
画像を見せてくれたんだけど。
スーパー銭湯のホテルの1室とは
思えない位にお洒落な内装の
スイートルームで。
お部屋の窓からは通天閣ビューが楽しめる。
「……ちょっと…自分が想像してた
スパワールドのホテルの
スイートルームの…50倍ぐらい…
良すぎて…ビックリしてる…んだけど」
『巴さん、スパワールドの
ホテル気になりますか??』
「いやっ…大丈夫ですッ…
気になって無いです、いい部屋過ぎます」
『あ…僕ね…ちょっと…
嬉しい誤算…みたいな…
臨時収入があったんで…
今月は…懐温かいんですよねぇ~』
スッと…後ろの席から
小林が手を伸ばして来て。
『生田さん、僕もそれ…飯島先生が
教えてくれて買えたんですよ…』
ちょっと前に…ニュースになって居た
インターネット販売の宝くじの
1等の当選本数が謝って
設定されていて予定本数よりも多く
1等賞の200万円が排出されていた
ニュースの…あのクイックワンとか言うくじで。
飯島先生から二人にLINEが来て
凄い面白い程当たるから
お前等も買ってみろと言われて。
2人も…あの…ニュースのくじを
購入していたのだそうだ。
3月1日から販売されていて
4日に購入者からの問い合わせで
問題が発覚したとの事なので。
今日の…支払いは…安心して
僕らに任せて下さいと。
ふたりに言われてしまって。
ますます…その…飯島先生と言う
非常勤の医師が何者なのか
気になってしまったんだけど。
港斗君が言うには家が資産家で
土地の…関係のお金があるから
医者は副業と言ってるくらいに…
お金には困ってない…人なのだそうだ。