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12歳年下の彼に溺愛される話

第34章 神戸北野ホテル



車を駐車場に駐車して
エンジンを切ると。
彼がトランクから私の
荷物が入ってるキャリーバックと
自分の荷物が入ってる
ノースフェイスのリュックを出して。

そのまま上のフロントへと向かった。

玄関のドアを開くと、
大きな花瓶に生けられた
生花が出迎えてくれて。

生花の生けてある花瓶が
乗っているテーブルの下の
赤いカーペットも、
花瓶の後ろの窓の
赤いカーテンも…豪華な感じだ。

その…丸いテーブルの花に
意識を奪われていると。
右側にあるテーブルに座って居る
コック帽を被った、大きな
クマのぬいぐるみが目に入る。

『くまさんのシェフと
一緒に写真撮りましょうよ』

テーブルに向かって、
熱心に料理雑誌を読んでいる
クマのシェフと記念撮影をして。

彼が…フロントで
チェックインの手続きを
してくれている間に。
空いているソファに座って。

彼が手続きを終えるのを待つ。

『巴さんこれ、ルームキー
可愛いですよ、見て下さいよ』

そう言って…彼が、
自分が持っている
部屋のルームキーを見せて来て。

今時…のホテルでは見ない感じの。
アンティーク調のルームキーで。

「凄い…こんなルームキー
初めて見た…かも…」

エレベーターも…
上にメーターの様な
針が動いて階を指差す。
これまた見た事無い感じの
レトロなデザインのエレベーターで。

ホテルの3階にある客室に向かった。

レッドカーペットが敷き詰められていて。

エレベーターから廊下に
ずっとレッドカーペットが伸びている。

下からは螺旋階段でも
上がる事が出来て。
3階から…1階までレッドカーペットが
敷かれた螺旋階段が見下ろせて。

前に世界一の朝食を頂いた
レストランを上から見る事が出来る。

『前に…来た時に座ったのって、
確かあそこの席でしたよね?』

丁度…窓になってる部分から
前に来た時に座った
テーブルが見えて。
港斗が巴に声を掛けて来る。

リニューアルはしてあるけど、
建物自体は…それなりに
年数が経ってるなって所々
感じさせる部分がある感じだけど。
アンティーク調の家具とは
その雰囲気がまたマッチしている。

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