第22章 2024年1月2日~1月8日
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2024年1月2日
その朝…巴は…
パンが焼けるいい香りで目を醒ました。
時計を見ると…朝の6時前だった。
こんな時間から、港斗君の
お母さまは…朝食の支度を
して居るのだろうかと思って。
そっとベッドを抜け出して
客間から出ると。
キッチンの方の様子を伺うが。
電機はまだついて無い。
それに…このパンが焼ける香りは。
トーストしてるパンじゃないな…。
ホームベーカリーで焼いてるんだ。
余り早い時間から洗面をしたりして
家の方を起こしても失礼なので
巴が使わせて貰っている
客間に戻って、ベッドの端に座って。
LINEを確認するが、彼もまだ
起きてない感じだったので。
「あ、そうだ……
すっかり…受け取るだけ受け取って
バタバタしてて忘れてた…」
ホストの給料でも入ってそうな程
分厚い立ちそうな封筒を、
昨日痴漢をした高校生の
親から受け取るだけ受け取って
中身を確かめてなかったのを…
巴が思い出した。
自分のバックの中から
その分厚い茶封筒を取り出すと。
「ええっ!!なにこれ?」
分厚いと思っていたが
結構結構な金額の様で。
自分のスマートフォンで
”痴漢 示談金”を検索すると。
痴漢の示談金は相場が30~50万で、
私が持っている封筒には
その倍額……以上が入ってる。
これ、良かったの?
あっちの受け取れの圧が凄かったから
受け取るしか無かったし
あっちが未成年だったし高校生だし
大事にしたくなくて、
受け取ってしまったけど。
落ち着いて座ってられなくて
巴はその封筒を持って
生田家の2階の彼の部屋に向かって。
外からノックするが返事が無くて
ドアに鍵は掛かって無かったので
そのまま港斗の部屋に入ると。
まだベッドの上に居る彼の身体を
揺すって夢の国から
彼をこっちに来させると。
ボ―――としながら
こっちを彼が見ていて。
『巴さん…?
夜に来てくれるかなって
思ってたら、夜這いじゃなくて
朝這い…に来てくれたんですか?』
眠そうな顔で眠そうな声で
彼が目を擦りながらそう言って。
「これっ…見てッ、大変なの!」