第17章 彼と私のクリスマス
彼がホラと指差している
ゴンドラを巴が見ると。
確かにサンタらしい
後姿がゴンドラの中に見える。
他にも…ぬいぐるみが
乗っているゴンドラが
幾つかあるのが見えた。
高さ65メートルだが
高台の立地なので、
海抜135メートルからの
眺望が楽しめる。
淡路島の玄関口にあるSAなので、
立ち寄った事は何度かあるが。
実際に…下から眺めているだけで
これに乗った事はないし。
私が来た時に…乗っている人が
居る感じでもない…んだけど。
人が並んでるのも…見た事無いし。
まぁ…、天保山にある…
あの観覧車も…前に1度だけ
雄介さんと乗った事あるけど…。
観覧車ってずっと動いてるし、
行列しててもすぐにはける
乗り物ではある…イメージだ。
『ここ観覧車…、巴さん
乗った事あります?』
そう港斗が巴に尋ねて来て、
乗った事ないので首を横に振った。
『乗っちゃいましょうか?観覧車』
「え…でも…」
高さは65メートルだが、
1周は15分らしく
大きな観覧車よりもスピードは
ゆっくりと回る観覧車の様だ。
『15分…あれば乗れますから』
行きましょうと言われて
チケット売り場でチケットを購入して。
そのまま乗り場に移動すると。
クリスマス限定のゴンドラがあるので
それがもうすぐ回って来るので
それにどうぞと言われてしまって。
赤いゴンドラのドアを開いて貰って、
彼と一緒に乗り込んだ、
クリスマス仕様と言うだけあって
ゴンドラの中にはクリスマスらしい
ヒイラギをかたどったモールで
飾り付けがしてあって。
さっき見えていたサンタさんの
大きなぬいぐるみが先客で
ゴンドラの中に居たのだけど。
ゴンドラは6人乗りなので、
サンタと一緒にゴンドラの中で
明石海峡大橋をバックに
記念撮影をして。
ゴンドラの中から見える
明石海峡大橋と
港町神戸の街並み。
大阪湾のパノラマが楽しめる。
「お天気がいいから、
景色も綺麗に見えるね」
『そうですね、冬って
どうしてもイルミネーションって
イメージが強いから、
夜の景色ばっかり見てましたもんね』
「ちゃんと暖房ついてるから
寒くないね…、ゴンドラの中も」