第16章 12月17日から…12月22日
森園さんには…会う事は…
無いって…そんな風に思ってたら。
「ATM…先に寄ろうっと」
巴が…
ATMが設置されている方に
向かって移動していると。
ATMコーナーの近くにある
…ヘアサロンから…、
……それ……ッぽい人が出て来て。
思わず全力で…自分の気配を
消して殺すイメージをする…。
まだ誰かと大きな声で話をしながら。
別の金融機関のATMに並んでいて。
『そうだよ…聞いてよっ、もう、マジ
最悪な結婚式だったんだってばっ!』
多分あの…元田さんと西崎さんの
結婚式の事を
誰かに愚痴ってるんだろうけど。
『そうなんだよ、アイツだってば。
前嶋ってやつと、小林ッ…。
小林なんて、ちょっと遊んであげて
バックとか買ってくれててさ、
結構貯金あるから、結婚してあげようと
思ってたらさ。アイツ看護師してるから
自分の子供じゃないって言い出してさ~。
看護師してるから夜勤結構あるし、
家にまーくん呼べるし貯金あるしって
思ってたのにだよ?そうだよ…
仕方ないからゆーすけにしたのにさ』
いや…もう…全然この人…
凝りてないんじゃ…無いのかな…?
『そのゆーすけにも…離婚だって
言われるしさ、それも最悪なんだって。
まーくんの奥さんも離婚だって
まーくんに言ってるらしくてさぁ…』
って言うか…ダブル不倫だったんだ。
せめてまーくんが…独身だったら
まだまし…だった気がするけど…。
それで托卵だったんだ…。
要するに…慰謝料をダブル請求…
されてるって事だよね?
森園さんもまーくんって人も。
いや、まぁした事がした事だし…。
『それもまーくんさぁ…、
他にも…居たんだってば…女がさ。
だから…陽斗はまーくんの子供だけど
陽斗の養育費出せないし、
かなり慰謝料あの女に請求されててさ
その上、他の女も既婚者とか
婚約してる女が居たらしくてさ…ぁ』
森園さんも森園さんだって
思ってけど、まーくんの方も
かなり自業自得な感じだな。
『だからさ…、陽斗実家に預けて
別の男の所に行こうかなぁって』
森園さんの話の感じだと、
雄介さんは…あのふたりからは
慰謝料ちゃんと支払って
貰えそうにないな…って。