第14章 決戦は土曜日に…
『でも、生田サンが女神様の事
好きなの納得しちゃいました。
全然知らない私にも、
親切にしてくれて。私も
女神様の事…あの時助けて貰って、
大好きになっちゃいましたもん』
ふへへへへっと蛯名が
屈託のない笑顔でそう言って来て。
「えっと…蛯名さん…で、
お名前は…良いんですよね?
私の事は女神様じゃなくて…、
友坂とでも、巴とでも…
好きに呼んで貰えれば…」
蛯名さんは身体は小柄だが
兎に角声が大きくて良く通るから、
チャペルの中にさっきから
女神様が…響いて居て。
『えぇ~ぇ、でもぉ、女神様は
私を助けてくれた女神様なので。
うう~んとぉ…、巴姉サンとか…。
わ、私…、お姉ちゃんに憧れてて。
巴サン…みたいな…可愛くて
綺麗で優しいお姉ちゃんが…
居たらなぁって…』
私には…5歳年下の
素直じゃないが面倒見がいい妹が居るが。
小さくておっちょこちょいな
方向音痴の蛯名さんは妹と言うか
愛されキャラな印象を受ける。
蛯名さんは下の名前は葵と言うらしく、
葵ちゃんは私を巴姉サンと
私は葵ちゃんと呼ぶ事になって。
隣に居た港斗君には短時間で
仲良くなりすぎですよと言われてしまって。
パーティー会場の準備と
新郎新婦のお色直しが出来るまで、
邸宅の中で過ごしてくれと言う事なので。
一緒に写真撮りましょうと
葵ちゃんに言われて
チャペルや…螺旋階段で
一緒に写真を撮ったり。
港斗君との2ショットの写真を
葵ちゃんが撮ってくれたりして。
『巴姉サン、
お庭行きましょうよ。
今日は雨…の予報でしたけど、
今は雨降ってませんから、
今なら、お庭にも出れますよ』
そう葵に誘われて、3人で
大きなお庭で記念撮影をしていると。
港斗君と一緒に働いていると言う
事務所の人数人が、私と港斗君に
挨拶をしに来てくれて。
簡単な自己紹介をして握手をする。
束の間の休憩時間を終えて、
1階にある庭と扉1枚で
出入りが出来るバンケットルームへと
移動する様にと声を掛けられた。