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12歳年下の彼に溺愛される話

第14章 決戦は土曜日に…




「大丈夫だよ…、港斗君。
子供じゃないんだから…」

私と蛯名さんとの間の
空いていた場所に彼が来ると
じっと…こちらを見つめていて。

『その…パーティドレス…、
あの時…試着してた時も
巴さんにお似合いでしたけど。
こうして…チャペルで見ると…
あの時…以上に…素敵すぎて…』

グイグイと彼の着ている
ブラックのスーツを引っ張って
こっちではなくあっちを向く様に
彼の身体をこっちではなく
前の新郎新婦の方に向かせる。

「ほら、港斗君…今は
私の方じゃなくて、前…向こうね?」

そんなやり取りをしてる間にも
司会の人の進行で、可愛く
ブーケ風にデコレーションされた
マイクを手に持って。
1枚のハート型の紙に書かれた
誓いの言葉を新郎と新婦が
お互いにインタビューし合う様にして
誓いの言葉を述べて行く。

普通の結婚式の挙式なら、
誓いの言葉は交互に
問いかける感じだけど。
お互いに問いかけ合う
誓いの言葉は人前式ならではの
自由な演出…だなって思うし。

『教会式も…勿論
厳かな感じがして良いですけど、
人前式の自由な感じも良いですね』

ツン…と…お互いの指先が触れて
指先の部分だけをきゅっと
彼に握られてしまって…。
慌てて振り払おうとしたけど
彼の力が強すぎて…
軽く握ってる感じなの…に…
全然振る解けない…ので…
甘んじて…指先だけ繋ぎを…
巴は…
受け入れる…ままになってしまう。

誓いの言葉の後は、
指輪の交換があって。

結婚式が初めての蛯名は
テレビとかのCMで見ていた光景が
目の前で繰り広げられているのに
感動してるみたいでハンカチで
目頭をさっきから押さえて居た。

『それでは…新郎新婦による
指輪の交換が終わりましたので。
ただいまより、”エンゲージカバー”を
執り行わせて頂きたいと思います』

司会者のエンゲージカバーと言う
あまり聞き慣れない言葉に
ある程度の年配の列席者から
エンゲージカバーってなに?と言う
声がちらりほらちと上がって居て。

『巴さん、
エンゲージカバーって…
巴さん何か知ってますか?』

「エンゲージカバーって言うのは…」



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