• テキストサイズ

12歳年下の彼に溺愛される話

第14章 決戦は土曜日に…




そう言いながらバージンロードを
あちこちの人に話しかけながら
上機嫌で進んで来る人が居て。

恰幅のいい貫禄のある
初老の男性が…そのまま
チャペルの前へと進んで来て。
その人の奥さんらしい人も、
それに遅れてチャペルに入って来ると。

周囲の人達の表情が一変して
緊張が…こっちにも伝わって来る。

『(さっきの人が…うちの院長先生で、
今…入って来た女性が院長夫人です)』

病院の事情を知らない私でも
院長先生はお医者さんなんだろうけど。
病院の経営の実権は奥さんの方が
握ってるって感じなんだろうな…と。

『(それから、その隣の
若い男性が院長の息子さんで。
こっち側は、医局長さんと、
事務所長さんと、看護部長さんです)』

要するに最前列の1列の6席は、
病院のお偉いさん…達の
為に用意されていた…席の様だ。

コツ…と院長が
歩いていた足を止めて。

『ん…?……何だ、
見慣れない顔があるな…』

院長の視線が…こちらに
向いてるのに…気が付いた。

と…言うか…自分の病院の
スタッフの顔……全員把握してるんだ。

『貴方…、そちらは…
医療事務の生田さんの婚約者よ…』

「すいません、
友坂 巴…と
申します。この様な場所からの
ご挨拶を失礼いたします…。
本日は…お招きいただきまして
ありがとうございました」

その場で申し訳ないと思いながら
巴がそう挨拶を院長夫婦に
対して行って頭をさげると。

『いや…今日は…うちの
事務所の…元田と西崎の
結婚式だからな…、生田は
西崎とは同期だし…、元田とも
親しいようにあるし…私が…
主催した…集まりでもないから…
私達夫婦へのお気遣いは結構…』

「はい、すいません…。
ありがとうございます」

最前列が埋まる頃には、
チャペルの中は満席状態になって居て。

司会者の進行の元、
人前式が定刻通り開始された。

まず最初に…数人の
親しい人達と共に
新郎新婦が入場して来て。

彼も新郎新婦と
一緒に入場して来て。

まるで戦隊もの様に、
新郎新婦を中央にして
キメポーズをすると。
周囲の列席者から拍手と
声援が起こって。

『すいません、巴さん…。
ここ、分かりにくくなかったですか?
道、分かりましたか?
ひとりで不安じゃありませんでしたか?』


/ 1757ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp