第14章 決戦は土曜日に…
もっちりとした泡が出来たら。
それを一気に顔に伸ばしたりしないで。
『泡が出来たら、その泡を5等分にして』
「出来た泡を…5等分…」
額・右と左の頬・鼻・顎の5ヶ所に
ピンポン玉みたいにして。乗せると。
この時に肌をゴシゴシしないで
手と肌の間のもこもこ泡の
クッションを滑らせて。
自分の手が極力
肌に触れない様にして洗うと。
ぬるま湯でしっかりと
すすぎ残しが無い様に。
そして…すすぐ時もゴシゴシしないで
顔に当てる水だけですすぐように言われて。
バシャバシャしながらゴシゴシしたいと。
そんな事を巴は思いつつ。
顎や生え際のすすぎ残ししやすい場所も、
丁寧に…すすいで行って。
最低でもすすぎは30回と言われて。
『肌のトラブル原因って、
すすぎ残しって言われてるんだってば』
そう千冬が言って来て。
最後に数回…仕上げに水ですすいで。
妹がこっちにティッシュを
ぐいっと千冬が差し出して来て。
『はい、巴姉。
ティッシュを一枚
上向いて顔に乗せて』
↑を向いて、顔に乗せる。
ティッシュを一枚引き抜いて、
言われたままに上を向いて顔に乗せて。
『こすらないで、ティッシュ
そのまま剥がして捨ててね』
「ねぇ、タオルでポンポンじゃだめなの?」
『タオルは洗濯してても
繊維があったりとか、菌がいるんだって』
言われたままに顔に乗せた
ティッシュをそっと剥がすと
剥がしたティッシュをゴミ箱に捨てた。
『どう?洗顔後なのに…
化粧水の後みたいになってない?』
「凄い…サラサラしてるけど、
乾燥もし過ぎてない感じ…する…」
『そうそう、何時もの洗面所で
何時もの洗顔フォームで洗顔しても
ちゃんと手間かけてあげたら
応えてくれるんだって、肌もさ』
その後は…ドレッサーの前に移動して。
化粧水で肌を整えていると。
『でも…巴姉…例の港斗君の
お陰で…肌綺麗になってるんじゃない?
家に居た時より、
肌のさ、キメが細かくなってるし。
あの…雄介さんと別れた後とかさ
疲れたおばさんの顔と肌してたけど』
「あの頃は…心身共に、
疲れたおばさんだったんだってば…」
『24歳の彼氏の…若さ…
ちゅーちゅー吸い取ってたりして』
そう言いながら妹が
ニヤニヤと…笑って居て。