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12歳年下の彼に溺愛される話

第11章 12月9日の土曜日~10日の日曜日




持っていたコーヒーの入った
お揃いのマグカップを
港斗がテーブルの上に置いて。

センターラグの上に座って居る
巴の隣に腰を降ろした。

港斗が巴の左手の上に
自分の手を重ねて来たから
彼の方を見た。

『それより…、巴さんは
嫌じゃ…無いですか?
昨日…あんな風に言って、
あんな場所で渡されたら
受け取るしかない感じで、これを
巴さんに押し付けちゃいましたし』

「嫌じゃ…無いよ…、港斗君
その…指輪…ありがとう…ね…」

『そう言って貰えて、
僕も…安心しました…』

前に…雄介さんから…、
指輪をプレゼントされた時なんて。
サイズ大きくてぶかぶかで。
お前、指、意外と細かったんだなって。

何でその時…誰を…基準にして、
そのサイズを雄介さんが買ったんだって…。
疑問にも…思わなかったもんな…。

合わないって言ったら、
凄い渋々嫌そうにして文句言いながら
サイズ直しに…半月ほど経ってから
どうなったの?ってこっちが
聞いて、それで思い出して
持って行ってくれた感じだったし。

『巴さん?…』

名前を呼ばれてハッとすると、
今自分が居る方の現実に引き戻されて。

ぎゅううとこっちを心配そうな
顔をしながら見ていた
彼の身体に抱きついた。

「港…斗…君…」

『どうか…しましたか?巴さん』

ううん…と巴が港斗の言葉に
自分の指をゆっくりと左右に振って。

「ううん、大丈夫…。
この指輪…大事にするから…」

『巴さん…また、正式に
プロポーズする時には
もっと…ちゃんとしたのを…』

「ううん…違うの…、違う…の…。
違わないけど…、違うの…ッ…。
港斗君の…指輪…大事にする…」

こっちが彼の身体に
縋り付いて居たのに
ぎゅううと彼に
抱き締め返されてしまって。

『じゃあ、僕の贈った指輪を
大事にしてくれる、巴さんを。
僕が、大事にすればいいですね?』

「……ッ!?みっ、港斗…君ッ…」

『まぁ、言われなくても
大事にしますよ?ずっ――とね?
顔、赤いですよ?』

「み、港斗…君のせいだよッ…」

『あはは、じゃあ
…責任…取りましょうか?』

そう言って、身体を
センターラグの上に倒されて。

彼に…大事…にされてしまった。




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