第11章 12月9日の土曜日~10日の日曜日
でも…もし…彼が
私じゃない誰かに会って居て。
その人とも
お付き合いしてるのなら。
私みたいな12歳年上の
いい年齢の行き遅れな女じゃなくて、
自分と年齢差の無い人と…
お付き合いをした方が、
彼の為になるし。
結婚した方が…良いと思う…。
お互いに好きって気持ちだけで、
この年齢差が埋まらないのは…
当人である自分が一番良く知って居る。
今は…
この年齢差がどうでも良くても。
この気持ちが冷めて落ち着いて来た頃に。
ネックになるに決まってる。
『私の事…、
適当にあしらって置いてッ。
あんな女とは、付き合うんだッ、
あの女よりも、私の方が可愛いし
胸だって大きいのにッ』
「う、うん…、でも…
ほら、千冬には…、新しい
優しい旦那さんが居るでしょう?
大和の事も、可愛がってくれてるって
お母さんも喜んでたじゃない…?」
そう…千冬がジムに通い始めて。
港斗君に…
猛アピールしてたらしいけど。
港斗君にはさらっとお断りされて
しまったらしくて。
やけくそみたいになって、
憂さ晴らし的な感じで
マッチングアプリに登録して、
出会った男性が今の旦那さんに
なって居る男性だったらしく。
いつもは…マッチングアプリで
出会った人と会う時は
ゴム着けてしてるって言ってたけど。
何回か会ってる内に、
告白されて勢いで、
ゴム無しセックスして。
外出ししてたのに、
妊娠したのが発覚して。
慌てて結婚した…らしいけど…。
『何で、巴姉は
そんなに冷静なの?
自分の彼氏がさ
浮気してるかもなんだよ?』
「でも、私と港斗君は12歳も
年齢が違うし、私より若い子で
いい子が見つかったんだったら。
結婚する前に分って、
良かった位だよ…その方が、
絶対…彼の為に…なると思うし…」
『いい訳ないでしょ?
お姉ちゃんはそれでいいの?
日中は他の女に会ってるから、
会うのが遅くなるって
言われて平気なの?』
そう言ってバンバンと
千冬がテーブルを
自分の両手で叩いて居て。
まるで自分が浮気された女かの様な
そんな行動を取って居たのだが。
私は…この後…彼と…。
港斗君と、…どんなを顔して…
会えばいいんだろう?