第10章 12月3日の日曜日
『有名な人気のある。
イルミネーションも良いですけど。
僕と、巴さんだけのお家
イルミネーションもそれはそれで
良い感じで良いですね。巴さん』
「うん、こうやってライト付けて
お部屋の明かりを暗くしたら。
港斗君が買ってくれた、ツリーも
明るい所で見るのと、違う感じで
また、雰囲気が違っていいね」
暗い部屋の中をぼんやりとした
光が浮かんでいて。
お互いの視線と視線がぶつかる。
そのまま…どちらともなく
口と口を寄せ合って。
口付けを交わす。
合せていた唇を離して、
ぼんやりとした闇の中で
至近距離で見つめ合う。
コツン…と…巴の額に、
港斗が自分の額を合わせて。
合わせたままで、
見つめ合って居る内に。
何だか気恥ずかしくなってしまって。
ふふふ…と…自然と
声を出して笑ってしまって居た。
『こんな風にしてると、何だか…
毎日がクリスマスみたいですね』
「ふふふっ…、そうだね、昨日も
今日もクリスマスみたい…
まだ、12月の3日なのにね…」
『クリスマスが
その時だけじゃないと
ダメ…なんて、
決まりが無いですもんね』
キラキラと…暗闇の中で
点滅するツリーの光と。
スマートスピーカーから
流れるクリスマスソングメドレー。
私と彼の所にだけ…、
もうクリスマスが来たみたい。
『巴さん…』
「港斗君…」
身体をセンターラグの上に倒されて、
彼の手に頬を挟まれて見つめられる。
再び、唇を重ねてキスをして。
そのまま、抱き合って。
肌を重ねて、お互いのぬくもりを
分かち合って愛し合う。
ーーー
ーー
ー
12月3日の夜は、
冬の寒さも忘れる様な…
熱い時間を交わし合って。
夜中に近い時間に
一緒にシャワーを浴びた。
次の日の月曜日の朝は、
一緒に…アパートを出て。
『じゃあ、夕方にジムで』と
月曜日にもジムに通う様になってからは。
お決まりになって居る挨拶をして別れた。