第103章 彼と私の8月26日
小林君達が七夕に泊った、
シーサイドホテル舞子ビラ神戸?
って一瞬思ったんだけど…、
その舞子ビラ神戸のお向かいさんの
ホテルが目的地のホテルの様で。
ホテルセトレ神戸・舞子は、
リング状の建物を2/5にして
残しましたって言う感じの
特徴的な外観のホテルで。
ホテルのすぐ後ろには
明石海峡大橋が見えている
アジュール舞子の中にあって
全室オーシャンビューの
絶景が自慢のホテルだ。
「セトレッ…、一回
泊ってみたいって思ってたけど
確かに近すぎて……泊まろうかって
なった事ない……かも……ッ」
それもそのはず…私と彼が
住んでいるテラスハウスや
私の実家からも車で5分の距離で。
お盆の時にお母さんと来た
太平の湯もすぐソコに見えている。
駐車場に車を駐めて
荷物を彼に降ろして貰って。
ホテルの建物の方へ近づく
この外観は何度も見たことあるけど
中に足を踏み入れるのは初めてだ。
特徴的な形状の白とガラスが多い
建物はどこか近代的な美術館
みたいなそんな雰囲気の外観で。
周囲に植えられている木々や花々は
リゾート感を演出している。
『そうなんですよ、
評価とか口コミも良いですし
前から僕も気になってたんですけど
あの…近すぎて…ね…。
だから…敢えて、今日は…
この先ここ泊まろうって
ならないかも知れませんし…
セトレが良いかなって…思ったんで』
と…ロビーに続く自動ドアを抜けると、
目の前には…内装も真っ白で
統一されたロビーが出迎えてくれて。
ロビーの奥の壁が一面ガラス張りに
なっていて、海と明石海峡大橋が
まるで大きな絵画が展示
してあるかのように見える。
『おおっ、これは絶景ですね、
見慣れてる景色とは言え……。
地元民だからこんなリアクションですけど
他県からの宿泊客はテンションが
めっちゃ上がりそうな景色ですよ…』
「わぁああ~っ、凄いねぇ。
凄いよ?大きな絵画みたいだね?
ね?ね?わぁ~、凄いねぇ…」
『そんなに…喜んで貰えて
ここを選んで良かったですよ。
巴さんには…ちょっとした
僕からのプレゼントを用意してますんで』
「え?プレゼント?」
『生田巴様…お荷物はこちらにて
お預りを致しますので、ご案内致します』