第101章 ぷち新婚旅行 1日目 淡路島
『後…是非とも…お手洗いも…
ご覧になって頂ければと…』
え?トイレ?と思ったんだけど
スタッフの人におトイレにも
見どころがありますのでと言われて。
トイレに…行ったんだけど…。
トイレの床も壁も土だった。
それも…なんかちゃんと
土のタイルみたいになってた…。
この色味がちょっとずつ違う壁は
淡路土を使った瓦を
焼かないで乾燥させただけの物。
だからつまり…土の状態のままなんだけど。
年月が経つと…自然と…
色が黒くなって行くのだそうで。
1年2年と…年月が経って行くにつれて
また違った色合いになるのだとか。
この土のアート空間を手掛けたのは
地元淡路島出身の、左官職人の
久住有生氏で、国内外で
活躍する日本を代表する左官職人だ。
地元兵庫のホテルや公共施設
学校などの壁から飲食店
個人宅、沖縄のハレクラニにも
久住有生氏が手がけた作品があるのだそうで。
『巴さん、なんか外で
左官体験できるらしいですよ』
服が汚れない様にエプロンを貸して貰って
道具を貸して貰って、時間制限もなく
好きなだけ…決められた場所に
設置されたパネルに土を塗って良いらしい。
この…パレット?トレイ?みたいなのに
塗る粘度みたいな土が乗ってるんだけど
これが結構ずっしりとしてるし
壁にむらなく塗るのが難しい。
難しい…し、結構力仕事だ…これ…。
『どうですか?僕…なかなか
才能あるんじゃないですか?これ』
左官体験をして…、
彼が土のスムージーを
飲んでみたいと言うので
それを購入して
土のミュージアムを後にする。
私の中で…土の味と言うと
あのユニバの…
ハリーポッターのエリアで売っている
100味ビーンズのミミズ味…。
港斗君が土のスムージーと
言った時にあの味を思い出してしまった。
実際に食べられる土と言うのは
売っているらしくて、
この食べられる土に招待は
バスマットやコースターで
お馴染みのあの珪藻土だ。
正確に行くと植物の化石だから
あの泥臭い土を焼いて
消毒して食べる訳ではなくて、
彼がスムージーを飲んでたけど
土の味も匂いもしないらしく
普通のバナナスムージーだったみたい。