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12歳年下の彼に溺愛される話

第95章 2024年8月2日~8月3日



私の浴衣は…からし色みたいな
渋めの暗めの黄色の地色に、
朝顔の柄の浴衣で。黒の
麻の葉柄の帯を締めた。

彼の浴衣は色はネイビーの
手書きで途切れた麻の葉の
総柄になった浴衣を着ていて。

『麻の葉お揃いですね、巴』

「うん、合わせた訳じゃないけど
たまたま…この浴衣には、
この帯が良いかなぁって…」

『良いですね、浴衣…』

「コロナで…お祭りや
花火大会も無くなっちゃってたから
浴衣も…随分…久しぶりな感じ…かも…」

そんな話を彼としながら、
目的地のメリケンパークの
スタバを目指して歩く。

15分程歩いて、スタバに着いて。

柚子シトラスパッションティーを
彼はコールドブリューコーヒーを
それぞれ注文して、それを
飲みながらふたりを待っていると。

可愛らしい金魚の絵柄の
浴衣に身を包んだ葵ちゃんと。
無地のグレーの浴衣姿の
小林君が現れて。

『すいません、遅くなりました』

『巴姉サンも、生田サンも
バッチリ浴衣決まってますね、
お似合いですぅ、素敵ですよぉ~』

『葵ちゃんも浴衣可愛いし、
小林君も…更に、浴衣だと
男前が上がってる感じ…だね…。
っと…でも何で今日は浴衣なの??』

『他の人も、浴衣だと思うので
すぐそこなんで行けば分かりますよ』

と…葵に言われて、
メリケンパークのスタバからは
目と鼻の先の距離にある。

この辺りのランドマークでもある、
神戸メリケンパークオリエンタルホテルの
中に葵がズンズン入って行ってしまって。

『巴姉サン、こっちっ、
生田サンも、こっちですよぉ~』

エレベーターの前で、
こっちこっちと呼んでいて。
どうにも…このホテルとは…
浴衣は不釣り合いな気がするんだけど。

浮いてると言うか、場違い感が
するんだけどなぁと思いつつ
エレベーターで2階に上がると。

その辺りをウロウロしてる人の
女性は皆…浴衣に身を包んでいて。
さっきまでの場違い感が
一変してここでの正装の様に変わる。

『ね?巴姉サン。
私が言った通りでしょ?
他の皆さんも、浴衣だったでしょ?』

『何かのイベントでも
今日、ここでやってるんですか?』

『そうなんですよ、このホテルの
隣にいつもあるあの船…知ってますか?』


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