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12歳年下の彼に溺愛される話

第84章 7月7日 PM編



『ちょっと…飲み過ぎちゃい…ました
酔っ…ちゃった…みたい…です…』

そう言う…蛯名の顔は赤くて
ワインはあまり
普段飲まないらしいから。
酔っていると言うのは…
嘘じゃないんだろう。

ちょっとだけ…ソファの端と端から
距離を彼女が詰めて来て。

『肩…借りて…良いですか…?』

『ど…どうぞ…』

小林の肩にもたれ掛って来て、
その重み…と…身体の柔らかさを感じる。

ドキドキ…と…自分の心臓が騒がしい
自分が慣れないワインで、酔ってるって
だけじゃない…ドキドキ感があるのは…
小林サンとの距離が…近いから……。

そっと…自分の背中に…小林が
手を添えてくれて、背中を上下に擦った。
その…触り方は…、えっちな…性的な
感じの意味合いと言うよりは…。
同職者だからわかるけど…、
共感的タッチング…で…私が感じている
不安とか…緊張感を…解す為に…
多分…職業柄…染みついているそれを
小林サンも…無意識にしてしまっているのだろう。

よしよしと…背中を撫でる手が
小さな範囲で上下していたのが
段々と…撫でる範囲が広くなって来て。

そっと…肩に手を添えられて
グイっと身体を引き寄せられてしまって
片腕で抱かれている感じになる。

『蛯名さん…、少し…横になる…?…
それとも…ここで…このまま?…』

私の体調を…気にかけて…
この先をどうしたらいいのかと…
そう確認を取って来られて…。

さっきから…ドキドキしてしまっていて
酔いも…どこかに
飛んで行ってしまっていた。

もう…酔ってふわふわって
感じでもないから横になって休みたいって
言うのは…変な感じだし…
色々考えてたら緊張して来て…。

『おっ、お手洗いに……行きたい…ですッ』

自分の気持ちを整理する時間が欲しくて
小林の腕から逃げて、そのまま
逃げる様にお手洗いに籠ってしまった。

小さい方にしては…長く籠り過ぎて
トイレから出ると、小林が
お茶を淹れてくれていて。

『とりあえず…お茶飲んで…、
ゆっくり…しよう…かなって…』

緊張してるのは…私だけじゃなくて
小林サンの方も…緊張してるみたいで。
温かい緑茶を飲んで…、一息ついた。


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