第80章 7月1日 秘密の男子会
簡単なおつまみ用意するねと
そのまま自分はキッチンに入って、
僕と、來翔で小林を挟んで
彼が話を始めるのを待った。
有翔は冷蔵庫にあった
きゅうりをレモンナムルにして。
手際よくトマトをカットして
カプレーゼを作ると。
アボカドといぶりがっこをカットして
醤油を入れたマヨネーズであえ物にする。
『はい、これ…簡単な物ばっかりだけど。
後昨日作った…きゅうりの
ビール漬けも良く冷えてるし
もう、食べ頃になってるから』
『きゅうりのビール漬け??』
聞き慣れないおつまみを出されて
港斗がそれは何かと、
きゅうりのビール漬けを出してくれた
有翔に質問した。
切ったキュウリを…バリューな
ノーブランドのビールに
砂糖と塩と漬け込むだけらしい。
『生田さん…、キュウリのビール漬け
…凄い美味しいですよ…』
先に食べた小林が、それを
美味しそうに食べていて。
ほんのりと香るビールの香りと
甘さが…幾らでも食べられる
美味しさの病みつき系の味で。
『きゅうり…そのまま食べるより
こっちの方が、好きかも…』
『そう?これ…気に入った?
じゃあ…後で、LINEで
友坂さんにレシピ教えとくね?
それよりさ、…そろそろ…いい頃じゃない?』
本日の本題に入らないかと
そう有翔が小林に話を促して来て。
『その…今日は…、おふたりに
折り入って…ご相談が…ありまして』
…と…小林が本題を双子に切り出して来て。
過去に付き合った女性に
セックスが下手くそだと言われたのが
自分の中でトラウマになっていて、
彼女である葵に幻滅されてしまわないかと。
そんな感じの内容の…相談…なんだけど。
『僕が思うに…だけど……、
その…例の……蛯名さん……だっけ?
何年も…小林君に片想いしてて、
やっと…念願叶って…お付き合い
始めたんでしょ?僕は…だったら
そんな事…気にしなくていいと思うけどね?』
『はぁ?意味わからへんねんけど。
アルト、俺に分かるように説明してぇや』
『いや…だから…、
その蛯名さんって子は
小林君と付き合えるってだけで、
とっても喜んでると思うからさ。
一緒に…相談しながらさ
探して行けばいいと思っただけ』