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12歳年下の彼に溺愛される話

第77章 梅雨は紫陽花



当人同士の問題だからと
彼はそう言うけど、
相談されている以上は…その…
葵ちゃんがずっと小林君に
片想いしてたのは知って居たし、
小林君の方も…葵ちゃんの事を
どう扱って良いのか戸惑いながらも
一緒にいるのが…楽しいみたいだったし
ふたりには上手く行って欲しい…。

『子供の成長を見守る親にでもね、
なった…つもりで…ね?
適度に二人の時間を作ってあげましょうよ。
今日はいつもと2人共印象が違いますし、
そのドキドキ感もね…、心の距離を
きっと…縮めてくれますって…』

「……う…ん、…確かに
じゃあふたり付き合えばいいじゃんって
こっちが言う物でもないもんね…」

『多分周りの人間、僕らだけじゃなくって
みんな、早く付き合えばいいのにって
あの2人の事見て思ってますよ?
まぁだから…色々とね…僕も
お願いしやすいと言うかねぇ~
巴さんに…ここだけの…
内緒の話をしたいんですけどね…』

ちょっと耳を貸して下さいと
彼から声を掛けられて
2人とは距離が十分に
何処に居るのかもわからない位
離れているのに、そう言われて。

港斗が巴の耳に
口を近付けて来て
ある事を囁いて来る。

『僕から、小林君に…は、
今日のエビちゃんへの告白が
上手く行ったらある物を…
お祝いとしてね、彼に
プレゼントするつもりなんですよ』

そう彼が…告白が上手く行ったらの
ご褒美?お祝いを用意してるのだそうだ。

『今日、告白して…上手く行ったとして
それからじゃね、間に合いませんから。
まぁ、もし…要らないってなればなったで
うちの両親にでもあげればいいですし』

と…更にそのお祝いについてを
彼がそう話をして来て。
今からじゃ間に合わない物で、
恋人同士になったあの2人に
要るかも知れない物なのだそうだ。

「なんか、クイズみたい……」

彼はまだそれの用意があるよって
そんな話しかしてくれないから
中途半端なネタバレでしかないけど。
花しょうぶ園を楽しんで、
紫陽花の所にいるふたりと合流した。

午後に降った雨は…止む予報だったから
須磨の離宮公園を後にする頃には
雨はすっかり止んでいた。

『きゃっ…』

『危ないっ…』



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