第72章 淡路島の夜
『それにしても…こんな
便利な花火セットあるんですね…』
花火セットで土台になる台紙に
小袋の花火がセロテープで固定されてて
する前にこれを分解して開封するのが
ゴミも沢山出るし…面倒な作業なんだけど。
來翔さんに受け取った花火セットは、
エコパッケージ花火と言うもので。
開封された状態で花火が入れられて居て
これなら、小さい子が早く早くって
急かして来てもこっちが花火の
開封作業に明け暮れる事もなく
お互いにストレスなく花火が楽しめそうだ。
個包装にするコストを抑えている分
メインである花火の量が20%
従来の商品よりも増えているらしくて。
ゴミが出ないし、お財布にも優しいし
要らない手間も掛からない物なのだそうだ。
『サステナブルな取り組み…ですね…』
ちょっとした砂浜になってる場所で
貰った花火セットで遊んで。
花火で遊んでいる大和の画像を
LINEで妹に送って置いた。
後、こんなのあるんだよって
エコパッケージ花火のパッケージも
千冬に送ったら、ゴダイに売ってて
気になってたと返信が来て。
また大和に花火買ってあげて、
実家のガレージで花火しても良いなって
そんな事を少し早い夏を感じながら
巴は考えていた。
『パソナが淡路島に来て、
移住者も…順調に増えてるみたいですね』
「明石海峡大橋があるから、
神戸からも大阪らも淡路島は
そんなに遠い場所でもないし…、
橋の通行料金も値下げされたものあるかもね」
『見て見てぇ~巴ねぇね、
ほらほらぁ、花火、綺麗ねぇ~』
そう言って大和がこっちに
花火を上に持ち上げて見せて来るので
上に向けない様に慌てて下を向けさせて。
新しい花火を自分の手に持って
花火はこうね…身体から離してねと。
持ち方を説明して、終わった花火は
バケツの中に入れさせて。
『明日の朝ご飯は…、大和君が
今日釣ってくれた残りの鯛を使った
鯛朝食らしいですよ?』
「そう言えば…有翔さんって…
結構お料理する…感じ…なんだね…」
お料理してた時に手際が良かったから
普段から料理してるだなって。
港斗君が言うにあの2人は
一緒に住んでるらしくて、
料理は有翔さんの担当なのだそうだ。