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12歳年下の彼に溺愛される話

第5章 芸術の秋…とかしてみたり



巴が冷蔵庫から
スプリングバレーの
赤い缶を出していると。

港斗が食器棚から、
グラスを出して居て。

『洗い物は増えちゃいますけど、
缶のままは味気ないでしょ?』

ちょっとお高めの
クラフトビールをグラスに注いで。
ビールで乾杯をしてピザを2人で食べた。

「あの…港斗君…今日も…その…」

『泊まるつもりで…僕は、
来てるんですけど…ダメですか?
巴さんがいいって
言ってくれるなら、金曜日から、
お邪魔したい…んですけど。
でも…あんまりずっと泊ってたから、
別の家に住んでるのも
…意味なくなっちゃいますもんね』

「ひっ…引っ越しして…から、
まだ…半月しか…経ってない…よ」

『分かってますよ、巴さん。
折角皆で協力してここに、
引っ越ししたんですし…。
引っ越ししたばっかりなのに
また引っ越すのは、
ここを仲介してくれた
不動産屋さんにも悪いですもんね』

また、同棲したいと言い出すのではと
そんな風に思ったのだが。
その辺りは弁えていると
12歳年下の彼に言われてしまって。

雄介さんと付き合ってた時は、
私が金曜日に雄介さんの家に行って。
金曜日と土曜日に泊って。
日曜日の夕食を作って食べて帰るって
そんな生活を何年もして来て居たけど。

私が引っ越ししてからは、
水曜日のジムの後も…飲みに行って
港斗君はここに泊って。

土曜日と、日曜日に泊って。
月曜日はここから出勤している。

雄介さんは…私が食事の用意をしても
美味しいとも何も言わないけど。

港斗君は美味しいって
いつも言って食べてくれるし。

食べた後の洗い物は、
食事の用意して貰ったのでと言って
いつも進んでしてくれる…し。

夕食を終えて、洗い物と言っても
今日はグラス位だったので
洗い物をしている港斗が
リビングで寛いでいる巴に
声を掛けて来て。

『巴さん、お湯張りしましたから。
一緒に、お湯張りが出来たらお風呂に
入りましょうね?
あ、そうだ…巴さん。
今日は…”確認”はどうしますか?』

この…”確認”と言うのは
お湯張りが完了した合図の後に。

文字通り、お風呂を

確認しに行くのだけど。

これは…、私と…彼との間の
暗黙の了解の様な物で…。

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