第15章 MENオオカミ男とピグリンブルート
すると今度は分かりやすく反応し、アリスは顔を引っ込めるなりこう言った。
「驚いたわ……ちょっと聞き取りづらいMOBもいるのね」それはどういうことなのか、考えるより早くアリスは言葉を続けた。「こっちの言葉は聞き取れるのかって聞いているわ」
アリスさんはオオカミ男さんの言葉も通訳出来るんですね、とハナが話しているのを横目に、通じるならばと俺は早速本題を切り出した。
「MOB語翻訳機を作りたいんだが」
アリスが再び瞬きをした。なんだ、MOBがこんなこと言ったら悪いのかとか言い返そうと思ったが、それより早くそこにいるブルートが話し出した。
「MOB語翻訳機? 面白そうな話をしてるじゃねーか」
同じMOBに食いつかれても、と俺は一瞬思ったが、手伝いはいくらいてもいいだろうと考えを改めた。
「一緒に作ってみるか?」
俺はブルートに問い掛けた。ブルートはハハハッと笑った。
「面白そうだな!」
そうして、俺はブルートと共にMOB語翻訳機を作ることになった。拙いながらアリスもこちらの言葉が伝わるみたいだし、MOB語翻訳機の完成品まで、そう遠くない気がした。