第11章 ドズルバンパイアとクリーパー
僕たち五人は、ハナに連れて行かれて「アリス」という人間の家にやって来ていた。
どうやらこの人間には、僕たちMOBの言葉が分かるらしい。
本当なのかと試しに話し掛けてみたいのだが、それよりアリスが持ってる飼育カゴの中に危険生物がちらちらと見えて僕は気が気でならなかった。
僕が何か話す前に、ハナが話し出した。
「わぁ……その子はクリーパー?」
すると、向こうにいるアリスが嬉しそうに笑った。
「そ、手乗りクリーパーなの」とアリスが飼育カゴを開けて、なんと手の平にそのクリーパーを乗せたのだ。「触ってみる? この子、大人しいから大丈夫だよ」
「え、いいの?」
アリスの誘いに、ハナは躊躇いもなくそう聞き返す。僕はとっさに叫んでしまった。
「ハナ、クリーパーは危ないよっ」
しかし、こちらにMOB語が通じることもなく、ハナはクリーパーに触ろうとしていた。
「ふふっ、そちらのバンパイアさんがハナさんを心配しているわ」
「え」
「え?」
アリスの発言に、ハナも僕も驚いた。アリスは構わず話続けた。
「バンパイアさんはとっても飼い主思いなのね。優しい子ね」