第8章 MENオオカミ男目線
そうして俺たちは、夜な夜な飼い主の家の中で材料探しを始めた。辺りは暗かったが、夜行性の俺たちには関係ない。
実際飼い主が使っている家電の部品も少々盗んだが、まぁ俺たちの言葉は分からないのだからバレることもないだろう。
その次の日、飼い主からの「おはよう」に叩き起された。まだ寝ていたいんだが、どうやら出掛けるから着替えようとか言い出した。
俺、オオカミの姿の時は服着ていないんだが。
そう思っていると飼い主に捕まって風呂に連れて行かれた。なるほど、体を洗うのか。
その時、ハナが急に足を止めて何かへ目を向けた。次には困った様子で唸っている。
「うーん、洗濯機が動いていない……?」
ああ、それは洗濯機って言うんですね。中身の部品貰っちゃったりしたんですが、怒られますかね。
「まぁいっか」
おじいちゃん家に確か余った洗濯機あったし、なんて呟きながら、俺はもれなく体を洗われることとなった……ってちょっと、あんま乱暴にしないで! この姿だと体力ないんだから!