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紫の瞳をしたラスボスは今日も怠惰を謳歌する

第15章 その後


 その後。
 俺たちは一緒にワールドをリセットしてまた別の世界にリスポーンした。
 それからは俺のいつものエンドラ討伐日課が始まったが、以前とは違う変化も訪れていた。
「おんりーちゃん、待って待って!」
 後方を見上げると、紫褐色をした大きくなったぼんさんが、慌てた様子で俺の元まで飛んでやって来た。
「遅いですよ、ぼんさん」
「おんりーちゃんが早いのよ……」
 俺が言うと、ぼんさんはそう答えてその場にあった木の上でぐったりする。
 俺はそんなぼんさんをよく観察してみた。
 ぼんさんは、やはりタマゴから生まれたばかりとは違って鳥というよりはまるでエンドラみたいな見た目をしていた。成長した嘴もエンドラの出っ張った鰐口みたいになっていたし、遠くから見たら黒い体をしているし。
 ただ、ぼんさんの尾だけはエンドラではないことを示していて、木の上からだらりと垂れた紫の飾り羽を眺めていると、ぼんさんがわざとらしくクスクス笑って顔を寄せてきた。
「何よ、おんりーちゃん。俺のことをそんなにマジマジと眺めて」
「な、なんでもないですよ……」
 俺は目を逸らして先に行きますよと走り出した。ぼんさんは待ってと翼を羽ばたかせ、少し休ませてと喚く声を尻目に俺は投げたエンダーアイを見つめた。
 ぼんさんは知っているのだ。俺がぼんさんに惚れていることに。
 だけどこの気持ちを素直に認めるのも癪なので、落ちたエンダーアイを拾ってまた遠くへ走る。待ってと騒いでいるぼんさんだが、飛べるのだからあっという間に追いつくはずだ。
 俺と一匹は、今日もエンドラ討伐へ向かっている。
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