第2章 【安室 透】余裕のない裏の顔
彼女は「ここでシたから、今日は部屋に来ないのか」と、言いたいのだろう。
"もっとシたい"と言われているように聞こえてしまう。
しかし、ヤることをヤったから部屋に行かないなど・・・セフレみたいではないか。
少なくとも彼女はそのように思っているということで、そう思わせているのは誰でもない、僕だ。
こんなにも想っているのに、大切にするあまり言葉や態度にしっかり表すことができない。
あの高校生のように、ストレートに誘えたらどんなに良いか。
「部屋に行くのは迷惑ですか?」
「いえ!迷惑だなんて・・・!!来て、ほしいです・・・いつでも」
「いつでも・・・行かせていただきますね。今日は僕とのテニスの予定を決めましょうか。彼のお誘いは先程断ったので」
「・・・・・・えっ?」
彼女に好意を持っている男と出掛けるなんて許すはずがない。
大人げがないと言われても、彼女に近付く男は排除する以外に選択肢はないのだ。
「実は僕もテニスが得意なんですよ。行きませんか?デート」
「デート・・・・・・行きたいです!!!」
「楽しみにしていますね。それと・・・・・・今日はまだ、終わりではないです。の部屋でも・・・ね?」
「と・・・透さん・・・!!」
真っ赤に顔を染めるキミが愛おしくて、まだ抱きしめていたいけど、今夜の楽しみに取っておくのも悪くない。
テニスデートではスコートを穿いて、そのまま夜を過ごすのは決まりですね。
Fin.