第1章 【降谷 零】合コン
こういう行為で初めて心が満たされた気がする。
今まで付き合ってきた人も"好き"という感情はあったが、零に対する想いが本物の"好き"なのかもしれない。
「抜くぞ」
「ん・・・はぁ、んっ・・・」
2人で絶頂を迎え、落ち着いた頃に私のナカから零が抜かれた。
ただ抜いただけなのに感じて声が出てしまい、恥ずかしくて手で口を塞ぐ。
「・・・・・・そんな声聞かされたらもう1回ヤりたくなるんだけど」
「ご、ごめん・・・わざとじゃ、ないの・・・」
「はぁ・・・・・・誘うの上手いな、は」
ちゅっと額に口付けをくれる。
恋人同士のようなやりとりが何だかくすぐったい。
これは・・・酔った勢いというものだろうか。
確認をしないまま身体を重ねてしまったが、零との関係はこれからどうなっていくのだろう。
行為中にくれた"好き"はどういう意味なのだろう。
本人に聞きたいが、「付き合う気はない」と言われるのが怖くて言い出せず、零の目をじっと見つめていた。
「・・・ん?本当にもう1回するか?」
「ちっ違う!!いや、違うというか・・・したくないわけではなくて・・・その・・・」
「ははっ。したいと思ってくれてるんだ。萩原に持たされてたのがやっと役に立ったよ」
いつの間に着けていたのだろうと不思議に思っていたゴム。
さすがに好きな人でも着けずに挿れるのは抵抗があったので、零が持っていたことに驚いた。
萩原さんに口煩く言われて持ち歩いていると聞いて、いつ何処で誰とでも・・・ということか!?と疑ってしまい、零に睨まれた。
ごめんなさい。
零はそんなことしませんよね。
「俺はにしか使わない。もうとしか、したくないから・・・。俺の彼女に、なってくれるよな?」
「・・・・・・なる!!」
「可愛い。好きだよ、」
今まで離れていた時間を2人で埋めていこう。
零、大好きだよ。
Fin.