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あの方々の守護霊は2[dzl]

第16章 さらなる問題


 それからというものの、特に目立ったこともなく日常が過ぎて行った。
 霊感が強くなったのも私の勘違いだったのか、街中や会社の中で急に見えることもなく、特段驚くこともなくなったのだが……それでも時々、すれ違う人に怖そうな守護霊が憑いているとどうしてもびっくりしてしまう。
 そういう時は、白蛇さんが残してくれたブックマークにあったように正常心を保つように振る舞うが、それでも怖いものは怖いので私は幽霊を直視出来なかった。
 それでも仕事は忙しいながら楽しく務めさせてもらっていたある日、家に帰るとテレビがなぜか点いていた。出勤する時には電源を落としたはずなのに。
「えっ」
 一人暮らしの家に一体誰が、と私がリビングへ駆け込むと、よく知ったあの幽霊が我が物顔でソファに座っていたから驚いた。
「ちょ、ちょっと白蛇さん?!」
 メンさんのところの守護霊が居座っていたのである。
「シャッシャッシャッ、お邪魔してるぞ」
 人の家に勝手に上がり込んで呑気そうに笑う白蛇さん。笑っている場合ではない。
「白蛇さん、今日何曜日だと思ってるんですか!」
「何か用事があったか?」
「MENさんが金曜日に何してるかは知ってますよねぇ?」
 私の質問に白蛇さんは答えなかったが、シャラシャラと笑っているところ、知っていると頷いているようなものだった。
「MENさんのところに帰って下さいよ」
「嫌だ。今日はここにいると決めたのだ」
「なんで……」
「大丈夫だ。奴は元々幸運を自らに取り込んでおるから、ワシがいなくても何とかやってのけるのだ」
「だ、だけど……」
「それより、ネズミの串焼きはないのか?」
「ある訳ないですよ……」
 その日撮影していたMENさんの鬼畜企画は相当沼ったとかなんとか。
 なぜなのか分からないが、私の家にMENさんの守護霊が遊びに来るようになったということ以外は、平穏な日々が続いてる。
 この平穏な日々が続くはず、だといいのだが。
「ちぃっと風呂にでも入るぞ」
「えっ、なんで幽霊が……?」
 いいや、これから騒がしい日々になりそうな予感しかしなかった。
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