第9章 ぼんじゅうるさんの守護霊
「あの、ぼんさ……」
このことを真っ先に伝えようとぼんじゅうるさんへ視線を戻すと、そこにはにこやかな顔があってなんだかドキリとした。
「笑った声聞いたらなんか頭痛よくなったわ。ありがとね」
とぼんじゅうるさんが私にそう言った。
「いえ、私は何も……」
何が起きたのか私が分からないまま返事をすると、このお守り、もらっていいの? と訊ねてきたので頷いた。もちろんです、と。
不思議とぼんじゅうるさんの頭から霊体の兎耳が消えていた。まさしく今の私はキョトン状態だ。
頭痛もよくなったのか、キッチンの方に行ってお茶くらい出すよとぼんじゅうるさんがもてなしを始めようとした。私は慌てて立ち上がった。
「あ、あの、構わないので……どうかお大事にして下さい」
私は深く頭を下げて退室をした。ぼんじゅうるさんが玄関まで見送りに来てくれて、その後ろの守護霊さんもニコニコと手を振ってくれた。
私はぼんじゅうるさんの自宅で、不思議な体験をたくさんした、気がした。