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あの方々の守護霊は2[dzl]

第9章 ぼんじゅうるさんの守護霊


「きゃあっ?!」
 自分でもらしくない悲鳴を出したと思った。びっくりした勢いでスマホを落とし、そこにあったぼんじゅうるさんの頭と、拾おうとした私の頭がゴツンとぶつかる。私は慌てて謝った。
「ご、ごめんなさいっ」
 ぼんじゅうるさんは笑って大丈夫大丈夫とすぐに許してくれたが、どうしたのと体を起こしてスマホを代わりに取ってくれたので私は深く感謝を伝えて事情を説明した。
「あの、スマホに虫がいて……」
「え?」
「細かく言うと、虫の幽霊でした……」
 私はここで息をつく。本当はずっとチラついていて視えていたものである。
「虫の幽霊? どういうこと?」
「それは……」
 ぼんじゅうるさんはソファへ座り直した。私はその横で床に座りながら、ぼんじゅうるさんの守護霊が、私が視た虫の幽霊と戦って勝利を収めたのを見届けた。ぼんじゅうるさんの守護霊は相変わらず強面なのだが、今日はなんだか疲れているみたいだった。
「実は、ぼんじゅうるさんの家、あちこち虫の幽霊がいるんです」
「え、ほんとに?」
「本当に……信じられないかもしれませんが……」
「いや、疑ってる訳じゃないんだけどね?」
「いえ、大丈夫です」
 この話、信じてもらえないのは当然である。私はぼんじゅうるさんへ目を向け、それからその守護霊さんへ目を向けた。守護霊はこちらの視線に気付いてにこりと微笑んだ。その笑顔はとても子どもっぽく、あどけなさを感じた。その表情がどこかぼんじゅうるさんに似ていて、思わず見取れてしまう。
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