第7章 おんりーさんの守護霊
「何か買って行きます? お守りにも守護霊が憑いていることがあるんですよ」
もうこの話はやめようと、私はそう言って目の前に並ぶお守りへ目を向けた。おんりーさんは少し興味が湧いたのか、目をわずかに大きく見開いた気がした。
「お守りに守護霊?」
「はい。霊力のある人が作ったり、大事にされているものに宿ったり……あ、このお守りに何か憑きましたね!」
おんりーさんの言葉につい調子に乗った私は、そう言って一つのお守りを手に取った。そこには小さな緑色の玉……に見える守護霊だろうものが本当に乗っていたのである。
「へぇ……」
「あ、すみません、こんな話されたら困りますよねっ」
自分が視えることに受け入れてもらったとはいえ、話し過ぎたかもしれない。私は慌ててお守りを置いた。そこにいる緑の守護霊がゆらりと揺れる。
「いえ、それはいいんですけど……」おんりーさんがお守りへ目を向ける。「恋のお守りですよね、それ」
「え」
守護霊に気が取られていて気付かなかったが、確かにそのお守りには恋愛成就という文字が走っていた。いやいやいや、私が恋愛に困ってるなんてそんな……。