• テキストサイズ

【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎

第18章 始まりと終わり※

















「………………。」




目を覚ますと、白い天井が見えた。




でもその視界は霞んでいて、頭も働かない。

そこが病院だと気が付いたのは、随分とぼーっとしてからだった。





「……気分は?」

そこに悟の声が聞こえて、その方向に顔を動かそうとも身体が動かなかった。

「……そんなに悪く無い……。」





出した声は思ったよりも大きくなくて掠れていた。

どうやら自分は今、身体を動かす事も出来ずに、声を出す事もままならないと知った。





私はどうやら生きている様だ。




最後に見た自分の血だらけの手。

その血の感触がまだ残っている。




そして動かしたくても動かない自分の身体に、思考さえまともに働かない頭は、痛みを感じる事もなく、倦怠感だけが身体に残っている。

麻酔がまだ効いているんだ。





何も考えられないのに瞼が重かった。

「……今はゆっくり休め…。」

悟がそう言ってななの顔に触れると、分厚い包帯の感触がする。





/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp