【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第17章 夏の終わり※
「あ……もう…無理……。」
自分の太ももを掴んでいる悟に手を伸ばして、縋る様に言った。
悟はななと目を合わせるとフッと笑った。
「さっさと抱いとけば良かったよ。」
お前なんか好きになる前に。
夏も終わりそうな時期なのに、ジメジメとした夜の湿気が不快だった。
悟は自分のシャツで流れる汗を拭った。
そうして見下ろしたななに目を細めて、再びななの中に自身を突き付けた。
両手で掴める位に細いななの腰を掴んで、ななの事なんて気遣う素振りもなく、ただ抱いた。
泣きじゃくって許しを乞うななの顔を見ても何も感じない。
本当に………。
好きだと…愛おしいと抱き締めていられたあの時に。
抱けば良かった。