【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第15章 新しい感情※
「なな、俺だけを見て…。」
直哉くんのその言葉を聞いて、私は目を細めた。
そして腕を直哉くんの首に回すと、直哉くんはゆっくり方を近付けてキスをした。
そんなの……。
私だって直哉くんに言ったじゃないか。
直哉くんが同じ気持ちになってくれたら、もっとスッキリすると思っていた。
けど実際は、全然足りなくて。
きっと直哉くんが私に縋ってきても、もう満たされないと知った。
彼は私の身体が自分の好みから離れていく事を怖がっているのか。
私の気持ちが離れていくのを怖かっているのか。
その本心は結局、私には分からないから、こうして直哉くんを苦しめてその顔を確認するしか手立てが無い。
この時間が不毛だと分かっているのに、キッパリと切らないのは直哉くんが私に執着しているせいにした。
本当は、私が直哉くんを許せ無く、執着している気持ちを。
直哉くんが苦しむ姿を見て、すり替えていただけだった。