【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第10章 禪院直哉②※
「ななお願いやから…。」
ずっと自分のモノでいて欲しい。
直哉はそれだけを願いながら、ななをギュッと抱き締めた。
女を自分の【モノ】扱いするのは、否定する声が多そうだ。
それでも願わずにはいられなかった。
腕の中にいるこの女は自分だけのモノだ。
五条悟も他の男も、何人足りたとも、自分以外が触れることさえ許されない。
「……直哉くん……。」
直哉のその辛そうな表情に、ななもまた顔を顰める。
「…私は…直哉くんのモノだから…。」
それでいい。
自分の全てを直哉に捧げても。
直哉から欲しいモノが全部受け取れるなら。
それで良かった。
「なな…、俺が求めるのはお前だけや…。」
それもまた本心だった。
決して欺こうとしていた訳ではない。
いつだって、昔から、これからも。
この腕に収めたいのはななたった1人なのだから。