【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第7章 五条悟③※
あのクソジジィ…!
直哉はぎゅっと拳を握った。
ななが鬱陶しいと思っていた直毘人なら、すぐ五条家の大義名分で悟の提案に乗るのは分かっていたのに。
ななを早く連れ戻したい気持ちで。
そこを蔑ろにして東京に来てしまった。
「…直哉くん…。」
不安そうに直哉を見上げるななを見て、直哉は顔を顰めた。
手放すだと?このななを。
そんなの無理だと頭が拒否する。
決断できない直哉に変わり、動いたのは悟だった。
先ほどやられた事の仕返しの様に、直哉の腕の中にいるななを、自分の方に寄せた。
ななをグッと自分の方に寄せると、ななの手を取って自分の頰にななの手を触れさせた。
「俺がちゃんと面倒見てやるから、心配いらないよ。」
そうニッコリ笑って、直哉を挑発する。
サングラスの奥の青い目が、意地悪く細くなった。