第3章 拘束、イマラチオ、中出し
と初めて肌を重ねてから1か月と少し経った。
3日に1回くらいのペースで日常会話や外食した際の写真、面白い動物の動画などを送りあっていた。
が、定期的に会う方の連絡は今回がはじめてだ。
今週末ここに来て。有無を言わさない言い回しで、地図アプリの住所をコピーして貼り付ける。
一見コーヒーチェーン店の場所を指すアプリ。
しかしすぐ近くにホテルがあるので、よく待ち合わせに使われるスポットだ。
ホテルに直接だと警戒するだろうから、合流してなんだかんだ言いくるめてしまった方が手っ取り早いと判断した。
文章でちまちまご機嫌を伺ったりするのは得意ではないので、簡潔に必要な情報だけ送る。
からは午前中仕事なので午後からなら大丈夫ですと返事が来た。むしろ午後からの方が都合がいい。
なら14時くらいからどう?と提案すれば、いいですね、ここのカフェパンケーキが美味しいんですよ!なんて完全にオヤツ食べに行くと勘違いしているをどんなふうに泣かせてやろうか、今から楽しみだ。
約束を取り付けた事にニヤニヤしていると、事業所の先輩から今日は機嫌いいななんてからかわれて午後の仕事に気合いを入れ直した。
取材のためにブラジルへ出張に出てしまった先輩の仕事を振り分けられ、なかなか忙しい1週間が過ぎて待ち望んでいた週末。
久しぶりの1日オフで、午前中は溜まった洗濯や読みたかった本を消化して、午後は軽めの昼食をとって待ち合わせに向けて支度を整える。
Tシャツに7部丈の首元がゆったりした深い緑色のパーカー、ぴったり目のストレッチパンツを合わせて、携帯と同じ会社のかじられたりんごマークの時計をつける。仕事用に購入した落ち着いた香りの香水を身に纏ってキーケースと携帯をポケットに突っ込んで無線のイヤホンをつけて家を出る。
電車に揺られながら会社のグループトークに送られてきたブラジルの景色や選手の写真を流し見していると目的地の最寄駅へ到着した。
だいぶ集合時間には早いが店内に入る。お好きな席へどうぞと言われたのでが来たら気づくように窓側の席に座ってアイスコーヒーを注文する。カラフルなPOPにが言っていたパンケーキが写っていた。