第21章 Psalm 121:1-3
「おまえは、どこまで櫻井に付き合う?」
「え?」
「もう会わないって決めて、8年もの間会ってなかったんだろ?」
「それは……」
答えに詰まっていると、西島はため息を付いた。
「櫻井の妹に任せたらどうだ?」
「妹?」
「両親じゃ頼れないんだろ?だったら妹やら弟に投げちまえよ。おまえは家族じゃないんだから」
家族じゃ、ない……
確かに、俺は翔の家族じゃない。
それどころか8年の間放ったらかして、そして二度と会うつもりもなかった。
「仕事にも差し支えんだろ…?」
「ああ、でも」
「智。こいつに関わるのなら、中途半端な気持ちではだめだ」
「そんなこと…わかってる」
「あんな仕事しながら、櫻井の隣に居られるのか?」
確かに…翔は医者で、俺は暗殺者。
一緒に居たら翔が危険な目に遭うかも知れない。
雅紀や和也にまた狙われるようなことになるかも知れない。
でも…
「でも!」
湧き上がってくる不安を振り払うように、俺は声を出した。
「放っておけねえんだってっ…」
肩に乗っている西島の手に力が入った。
「放っておけないってだけで、無責任に拾うのか!?」
「違うっ…違うっ…俺は…」
「いい加減にしろ!智!」