第19章 Epistle to the Galatians6:5-7
「まぶし……」
カーテンを閉め忘れてた。
朝の光が寝室に充満してる。
レースカーテン越しに、健康という言葉が似合う清冽な朝の光がしっかりと俺を叩き起こした。
しかし、眠いものは眠い。
「…もう、ちょっと…」
枕に顔を埋め直すと、スマホのアラームがけたたましく鳴り出した。
「だめだったか…」
諦めて起き上がると、アラームを止めた。
一瞬、静寂が部屋の中に訪れたが、それに慣れてしまうとすぐに外界の騒がしい音が微かに聞こえてきた。
伸びをして起き上がると、ベッドから立ち上がった。
昨夜はスリッパを履くのも忘れていたらしく、ベッドの周辺には脱ぎ捨てた服と靴下が散らばっているだけだった。
「疲れすぎ…昨日の俺…」
苦笑いしながらリビングへ出た。
こちらもカーテンを閉め忘れて、朝の光が満ち溢れていた。
キッチンでコーヒーメーカーに粉と水をセットし、トースターに冷凍してあった食パンを凍ったまま放り込んだ。
冷蔵庫の中には、週に2度ほど来てくれる家政婦さんが作ってくれた作り置きのおかずがあるはずだ。
それをいくつか見繕ってしっかり食べないとならない。
朝食からガッツリ行かないと、一日体が持たない。
待ち時間の間に、浴槽を軽く掃除して湯を溜めた。
次いつゆっくりと風呂に入れるかわからないから、比較的時間のある今日は出勤前になんとしても湯に浸かろうと決めていた。