第15章 Genesis2:16-17
誤り倒して、キスをしたら渋々翔は許してくれた。
「まあ今日は俺が抱いてって言ったから…燃えちゃったんでしょ?智」
さっきまでカンカンに怒ってたのに、みえみえのフォロー。
俺があんなこと気にしたから翔は抱いてくれって言って、忘れさせようとしてくれたのに。
またフォローさせてしまった。
「…ああ、燃えた」
「なら仕方ない。許す」
そう言って、ツンと唇を尖らせて得意げな顔をした。
こうやって最後まで俺を落ち込ませないよう、翔なりに励ましてくれる。
それが、嬉しい反面…
やっぱり情けないとも思う。
俺のほうが年上なのにな。
得意げな唇にちゅっとキスをすると、まんまるな目を更にまんまるにして。
それから破顔した。
「もお!反省してないでしょ!智!」
ああ…綺麗だなあ…
俺の罪も洗い流しそうなほど、綺麗な笑顔…
「智ったら!」
バシャッと顔にお湯を掛けられたけど、なんにも気にならなかった。
「…何、その顔…」
「もともとこんな顔だけど?」
「違うよ…なんか…」
「なんか?」
まじまじと翔は俺の顔を見ているが、そんなへんてこりんな顔してるか?
「だらしない顔…?」
「オイ」