第13章 Ephesians4:25
「さとっ…智っ…」
その頬に触りたくて。
俺で感じてる、その顔に触りたくて。
崩れ落ちそうになってた身体を起こし、手を伸ばして両手で智の頬を包んだ。
「あっ…ああっ…」
汗塗れの頬は熱い。
その熱すら俺の快感を煽る材料になる。
じわりとまた、指先から腰に快感が溜まり膨らんでいく。
その間にも身体が宙に浮かんでしまうかと思うほど突き上げられて。
さっき出したばかりだというのに、また追い詰められていく。
「まって…あっ、智っ…まっ…」
頬を包まれた智は俺のことじっと見つめてる。
まるで視線にも犯されてるみたいで余計に感じた。
「イ…ちゃうっからっ…」
手のひらの中の智は、笑った。
「わっ…」
身体を起こすと、俺の身体を抱きしめた。
少しの隙間もないようぎゅうっと抱きしめてくれる。
密着して心臓がバクバクしてるのまで伝わってきた。
息を整えてるのか、大きく息をひとつ吐き出した。
その筋肉の動きですら気持ちいい。
「あぁ…も…」
堪んないよ、智。
中にいる智の熱がさっきよりもくっきりと伝わってくる。
「気持ちいい…智…」
なんか言ってないと、嬉しくて泣いてしまいそうだった。
「ああ…気持ちいいな…翔…」
智のそんな声ですら泣けてくる。
今までしてたセックスってなんだったんだろう。
今まで俺が好きだって思ったのってなんだったんだろう。
どれも今湧き出してくる物とは、比べ物にならない。
自分が制御できないほどの歓喜が湧き出してる。
「…翔…?泣いてんのか…?」
「う…」
「やっぱり痛いのか?無理させた?」
「ちが…」
喉が詰まって、上手く答えられない。