第13章 Ephesians4:25
別にって顔じゃなかった。
少し怒ったような顔してる。
「これ…俺しか使ってないよ…?」
「え?」
「だから…その…ひとりで、する、用に…」
チェストの引き出しから、ひとりで使う用にしてるディルドを出した。
恥ずかしくて死にそうだったけど、誤解を解くためだから仕方ない。
「この部屋には男の人、連れてきたこと無い」
「…ごめん」
「ううん。俺だってさっき嫉妬したし」
智はきょとんとしたあと、真っ赤になった。
「どうしたの?智」
「いや…これが…嫉妬って感情なんだな…」
驚いた。
初めて嫉妬したっていうんだろうか。
「…まともに恋愛したことなかったから…」
口元を手で覆いながら、もごもご言ってる智が愛おしかった。
「かわいい…」
そう言って抱きしめると、不本意を全開に出した顔をした。
「かわいくないから」
マットレスの上に放り投げてたディルドを取り上げて不敵に笑った。
「これ、使ってるトコ見せて」
「や、やだよっ…」
そう言うと、いたずらっこみたいに笑い転げて。
ディルドを放り出すと、俺のこと強引にマットレスに押し倒した。
「どんな翔も全部見たい」
「…もう一緒に住んでるのに、見てない顔ある?」
「あるだろ」
そう言うと、俺の足をガバっと広げた。
「わあっ…」
「ほら、そんな顔」