第13章 Ephesians4:25
荒い息を吐き出して、智は俺の事見つめてる。
俺も智から目が逸らせなかった。
「ローション…ある…?」
「…ある…」
「ゴムは?」
「あるよ…その…智…」
「ん?」
「智は…どっちがいい…?」
「…翔がしたいほうでいい」
やっぱり…智、どっちも経験あるんだ…
見たこともない智の過去の恋人たちに嫉妬した。
「翔…どうした?」
「なんでもない」
そう答えると、智は少し笑った。
俺の前髪を掻き上げると、眉間にキスしてくれた。
「皺、寄ってる」
「えっ」
そんなわかりやすい顔してたかな。
「俺がセックスしたいと思ったのは、翔だけだから」
智は体を起こすと、俺の腕を掴んで引っ張り起こした。
「ベッド、行こう?」
「うん…」
そんな事言われたら、堪んないじゃないか…
ふたりで汚れた手をティッシュで拭いて、服を脱がせて脱いで。
もどかしくキスしながら裸でベッドに倒れ込んだ。
ふたりとも一度出してるにも関わらず、もう猛ってて。
お互いの体にキスして、舐め回して。
止まることができなかった。
「智っ…待って…」
「なんだよ…これ以上待てないって…」
「だからその…ローションとゴム…」
ベッドサイドに置いてたチェストに手を伸ばして、引き出しに入ってた使いかけの物を取り出した。
それを見て黙り込んでしまった智にひとつキスをした。
「どうしたの…?」
「別に…」