第13章 Ephesians4:25
突然智が起き上がって、血走った目で俺のこと見下ろした。
「おまえ…」
「…え?」
「煽んなよ」
そう言うと俺のスエットのズボンに手をかけた。
それから俺の顔を見て。
無言で下着ごとずるりと下げられた。
外気に猛った自分を晒されて、一瞬冷静になった。
今なら後戻りできる。
だって怖い
失ったら、どうなるんだろう俺
智がここを去っていったら
俺の前から消えてしまったら
「翔…」
何かをお願いするように俺の名前を呼ぶ。
顔をみたら切なく熱のこもった目で何かを訴えてる。
「あ…」
動けない俺の手を取って、智のズボンを掴まされる。
気恥ずかしそうに俺の事見ると、懇願するようにキスをくれた。
手に力を入れて、智のスエットのズボンを下げた。
手に当たる、智の熱。
リアルな体温に鳥肌が立った。
もう戻れない。
頭の中が真っ白になって。
急いで智の熱を掴んだ。
「っ…翔っ…待てって」
「やだ…」
掴んだ手を性急に動かした。
ぶるりと震えるのが嬉しくて、もっと追い詰める。
「ああ…」
快感の声が聞こえて、身体の芯が熱くなった。
自分の熱に智の手が触れた。
「あっ…!」
俺の動かす手のリズムに合わせて、智の手も動いた。